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★ワンダースタッフに対する想いがぎゅっとつまった文章をご紹介します。ここに載せてもいいよー、という方がいらっしゃいましたら、サイトをお持ちの方もそうでない方もお知らせくださいね。

duzz songsさんの「日々の唄」より

8月24日

  懐かしきUKミュージックシーンにようこそ。誰にでも、人生のある一時期を共に
 した音楽があるのだと思う。以前にも書いたけど、過ぎ去りし日の僕はUKポップば
 かり聴いていた。それは執拗に。他国の音楽なんて目に入らなかった。それぐらい、
 当時の僕は英国の音楽シーンに魅了されていたわけだ。その中でも、とくに愛してや
 まなかったバンドが“ワンダースタッフ”である。
  その逸話。10代の頃、同じく愛してやまなかった彼女とドライブに行ったときに
 も(余裕で友達の車だったけど)、車内ではワンダースタッフが流れていた。彼女は
 こう言った。「この音楽、どこがいいの?」。べつに彼女に理解してもらおうとは思
 わなかった。好きな音楽が流れていて、隣に好きな人がいればそれだけで充分に贅沢
 な時間だと思ったから。若かったね、僕。ワンダースタッフが来日したときには、た
 ったひとりでチッタに突入。当時、僕のまわりにワンダースタッフファンは皆無に等
 しかった。そのぶんライヴで10人分ぐらい飛びまわった記憶あり。残像を残すほど
 の勢いで。加速装置(サイボーグ009)。まさに若さ全開。目の前で観たワンダー
 スタッフのメンバーは最高にカッコよかったな。
  そして、愛すべき彼女が去っていた後も、僕の部屋ではワンダースタッフが流れて
 いた。朝も昼も夜も。くり返し、くり返し。僕はマイルスの歌う「サイズ・オブ・ア
 ・カウ」を聴きながら日々を過ごした。自分自身との対話に多くの時間を費やし、そ
 うすることで自分を保とうと努めていたりした。

 “変だと思わないかい? 何にも期待してないと
  何でもあるがままに受け入れられないんだ
  俺はむしろこう考えたいね 人生は酒のようなものだと
  バーボンみたいにおいしきゃいいけどね
  俺はこれまで死ぬほど飲んできた
  俺の人生の最良の日々になってくれなけりゃ”

  そんなわけで、僕はワンダースタッフを聴くたびに彼女を思い出す。僕にとっては
 大切なバンド。二度目(?)の来日を果たす前に彼らは解散し、その後の動向はまっ
 たく掴めずにいた。が、昨日ネットで検索したところ、ヴォーカルのマイルス・ハン
 トのソロアルバムがとっくにリリースされていたことが判明。興奮とショックが同時
 にやってきた感じだった。そうか、ネットで調べりゃよかったのね。明らかに出遅れ
 てるし。PS2の時代にPCエンジンを買おうとしてる気分だ。もしくは、明らかに
 バスが過ぎ去った後に乗り込もうとして、次の車に跳ねられた気分だ。うわっ、なん
 だかやたらに高いね。どうやら相当跳ねられたくさい。地面が遥か彼方に見えるよ。
 このまま落ちたら確実に死ぬ、受け身をすることにしよう。duzz・柔道黒帯説。でも
 柔道習ったことないんだけど(死去)。
  翌日、目覚めてすぐ新宿へ。はやる気持ちを押さえつつ電車に乗る。シートに座っ
 て本を読むもいまいち集中できず。諦めてただ通過駅を見送る。途中、僕の隣に座っ
 ていた人が、端のシートが開いたのを見て席移動していたりした。これは車内でよく
 見かける光景である。誰もが人と密着するのを避けたいらしい。誰も隣人を愛さない
 らしい。まさに都会。「YOUはショック」(クリスタルキング)。これ、すごいタ
 イトルだね。今度、外人に会ったら聞いてみるよ。「ねえ、ユーはショック?」。
  タワーレコードで、マイルスのソロアルバムを発見。例によってひとり悦に入る僕。
 それだけ買って帰ろうと思ったところ、さらにワンダースタッフのシングル集を発掘
 する。知らなかった・・こんなCDが発売されてたなんて。しかも1994って書い
 てある始末。もう6年も前に出てたってこと? 21歳のduzzは何をしていたのか。
 ショックだ。これこそ「ユーはショック」だ。いちワンダースタッフファンとして失
 格くさい。ちなみにこのCDには店員さんの手書きのポップがついてた。こんなの。
 「90年代初頭のUKでは、ストーン・ローゼスより売れていた」。わかってるね、
 店員さん。君を好きになりそうだよ。誰だか知らないけど。
  帰宅し、まずはシングル集から聴いてみる。素晴らしい! ほとんどベストアルバ
 ムだね。初期の元気いっぱいなワンダースタッフから、後期の貫禄溢れるワンダース
 タッフまでが混在してる感じ。ギターサウンドからトラッド路線、厳選18曲入り。
 ライヴでおなじみだった曲ばかりだ。はっきり言ってギブ(マジで)。これぞギター
 ポップ、これぞグルーヴ。この内容で1680円は安すぎ。ほとんどタダ。叩き売り。
 でもそれじゃ聴けなそう(割れ物だけに)。
  現在、帰宅後3時間が経過。いまだにソロアルバムにいかずに、シングル集をくり
 返し聴き続けていたりする。ヘッドフォンを耳から離さないヤツ。興奮と感傷が混ざ
 って、意味不明な状況にある僕。今日の日記はいったいなんなんだ?
  え〜すべての音楽好きのみなさん。とくに90年代初頭をUKと共に過ごしたみな
 さん。ワンダースタッフの「IF THE BEATLES HAD READ HUNTER THE SINGLES」を
 買ってください。ワンダースタッフ、最高です(宣伝?)

LAST_MODIFIED : July 11 2007 JST